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2004.11.14

[資料紹介]『日本経済新聞』連載「アーカイブ零年 失われる記録」

 今回は、『日本経済新聞』で連載された、「アーカイブ零年」を取り上げたいと思う。この連載記事についてはすでに"Liblog Japan"(「アーカイブズ零年失われる記録」)や他のウェブログ等で紹介記事をご覧になった方もあろうかと思うが、図書館司書としての管理人の「想い」もこめてみたいと思うので、しばしお付き合い願いたい。

 この連載は、下記のように都合3回にわたって行われた。まず書誌事項を紹介しておく。

  上 文献後進国:現代史研究、外国頼み 2004.11.2 朝刊 p.40
  中 海外の現実:紙切れ一枚まで「救出」 2004.11.3 朝刊 p.40
  下 独自の試み:なくした過去取り戻す 2004.11.4 朝刊 p.32

 そして、3回の連載では、満鉄(南満州鉄道)資料の整理収集を「国家プロジェクト」と位置付ける中国・吉林省档案館を始め、下記の文書館や図書館、博物館を取り上げて、世界各地での「記録を保存するという営み」の現状がレポートされた。

○国内
 放送ライブラリー
 松本清張記念館
 福岡市総合図書館映像ライブラリー
 国立公文書館アジア歴史資料センター
○海外
 National Archives and Records Administration (アメリカ国立公文書記録管理局、NARA)
 Archives of American Art(アメリカ国立芸術資料館,AAA)
 Les Archives nationales(フランス国立公文書館)
 The Museum of Television & Radio(アメリカテレビ・ラジオ博物館)
 Octagon Museum(アメリカ建築財団附属オクタゴン博物館)
 Skyscraper Museum(摩天楼博物館,アメリカ)

 その一方で、日本の資料保存の現状の問題点(「資料を残す」と言うことに重きが置かれない、生の資料の喪失に対する抵抗感が少ない、等など)が指摘されている。また、あわせて「公文書等の適切な管理、保存及び利用に関する懇談会」による報告書である『公文書等の適切な管理、保存及び利用のための体制整備について』にも触れられている。

 ところで、この記事では、上記の報告書『公文書等の適切な管理、保存及び利用のための体制整備について』の"仕掛け人"福田康夫前官房長官が日本と外国での資料保存の現状の落差に愕然とするエピソードが紹介されている。実は、管理人にも似たような経験がある。その経験とは、かつて存在した日本国有鉄道という組織の前身である鉄道省観光局発行の雑誌"Travel in Japan"に掲載された記事が読みたいのだと言うリクエストに応えようとしたが、国内では探し当てられず、ようやくイギリスのオクスフォード大学ボードリアン図書館から複写物の提供を受けたというものである。その際に、「何ということだ!」と衝撃を受けたことを、この前橋の写真のエピソードで思い起こしていた。

 文書館や博物館の方々もそうであろうが、図書館に関わる司書も、利用者の読みたい資料を収集し、提供するという日々の営みを、現在の利用者に対しても、将来の利用者に対しても行おうとしている。記事中に出てきた学芸員のせりふではないが、「今の活動が30年後、50年後に大きな意味を持つようになる」ことは図書館の世界でも同じである。図書館の世界が曲がり角に差し掛かっている今こそ、将来に禍根を残さないような議論、取り組み、政策決定が強く望まれると言えよう。
 

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コメント

 ウェブログ『国際資料研究所報』の「アーカイブズの充実にむけて 議員連盟立ち上げも」という記事に、11月12日開催の「未来に残す歴史的文書・アーカイブスの充実に向けて」と言うシンポジウムの紹介がされている。その記事によると、活発な論議が行われたようであるが、福田元官房長官がレセプションで行った挨拶で超党派議員連盟設立に触れたことも紹介されていた。

 振り返って、図書館の世界にもすでに国会レベルでは「図書議員連盟」があり、地方議会でも様々なところで図書館に関心を持つ議員が活動している。私たちも、政治の流れに関心を持って関わっていくことが必要であろう。

図書館の議員連盟があるのですね。知りませんでした。詳細を知りたいのですが、ご教示いただけますでしょうか。

コメントありがとうございます。さて、この図書議員連盟は、「国立国会図書館小史」によると昭和53(1978)年5月発足とあります。国立国会図書館の他のページで触れられていますが、同館関西館設立に大きな役割を果たしました。
Googleで「図書議員連盟」と引くと、同連盟に所属する議員の個人サイトがいくつか出てきます。たとえばその中の一つのページでは、この連盟の活動方針を「文献利用の活発化、図書・読書・図書館などについてのあらゆる問題に関心を高める」と紹介しています(「円より子ネット」から)。
もう少し調べて、改めて追記したいと思います。

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