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2004.12.26

[資料紹介]『これからの図書館員のみなさんへ』

 少々古い話ではあるが、ブログ『日本の図書館はもっと良くなる』に「本の力で負担を減らす」という記事が掲載されていた。新潟県中越地震を受け、被災者に対する図書館での支援の可能性として、地震関連の本、地震体験者の本、地震から立ち直った人が書いた本、サバイバルの本、DIYの本等の書誌を提供したり、実際の資料を提供することを挙げていらした。とてもすばらしい提案だったと思う。

 上記の記事を読みながら、昔出会った資料を思い出したので、今回はその資料のことを取り上げる。タイトルは『これからの図書館員のみなさんへ』、著者は日本図書館協会の理事長をされている竹内さとる先生--"さとる"は"折"の下に"心"--である。

    これからの図書館員のみなさんへ 現場の役には立たない話 竹内さとる
    矢本町(宮城県) 図書館問題研究会宮城支部 2001
    (図書館問題研究会宮城支部かばねやみブックレット 2)
    目次:
    0.はじめに
    1.事務局からの手紙
    2.図書館とは何か
    3.図書館で働く自分
    4 利用者への信頼と期待
    質問
    あとがき

 複雑な現在の社会にどのように対処していくべきなのか等の事柄に対して、管理人はこのブックレットから大いに示唆を受けた。また、このブックレットを手にしてとても驚いたことがある。それは、竹内先生がお話の中で紹介している、『ちょっと待って!自殺はやめて図書館へ』という、15ないし16年前のアメリカの図書館のポスターが描かれているページである。そのポスターは、Anne F. Roberts著"Library instruction for librarians"(Libraries Unlimitedより1982年刊行)に収録されていたものであった(p.46)。

 著作権法上の問題があるので、ここでの画像の紹介はまたの機会ということにし、言葉での説明を試みる。そのポスターには、拳銃を自らの頭に突きつけている男と、その周りにたくさんの本が描かれている。そして、キャプションには「もし自殺したいと思っているのなら、やめなさい。その代わりに図書館へいらっしゃい」と書かれている。先生のコメントにもあったが、「自殺の前に図書館にいらっしゃい」などというせりふは、図書館司書の側によっぽどの力量・自信があるから言えることだと理解している。「図書館にはガイドや書誌、類縁機関案内などがあり、図書館司書があなたの調べもののお手伝いをします。だから死ぬのはいけません」という文言もそのポスターには書かれていた。利用者が自殺を思いつめるまでに追い詰められている原因に対して、図書館として問題解決のための援助をしていこうとする姿勢には、管理人は立ちすくむ思いがした。

 このポスターと出会うことで、図書館の果たすべき役割、つまりそれぞれの母体となるコミュニティ--公共図書館だったら自治体の住民、大学図書館だったら設置大学の構成メンバー--にとって図書館は情報拠点であり続けなければならないのだということを再確認することができたと管理人は理解している。是非皆さんもこのブックレットを手にしてみていただきたい。

参考文献
Library instruction for librarians / Anne F. Roberts.
Littleton, Colo. : Libraries Unlimited, 1982
図書館学の五法則 / S. R. ランガナタン著 ; 森耕一監訳 ; 渡辺信一 [ほか] 共訳
東京 : 日本図書館協会, 1981.9

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コメント

ちなみに、阪神大震災関連資料の記録としては、神戸大学附属図書館震災文庫などの取り組みがあります。URLは下記のとおりです。
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/eqb/aisatu.html

 この「自殺の前に図書館へ」の画像をあるところで紹介していたら、話を聞いてくださっていた方から「『毎日新聞』のコラムに載っていた似たような話を思い出しながら聞いていた」という反応を頂いた。ブログ『愚智提衡而立治之至也』中「自殺したくなったら、図書館へ行こう」等で取り上げられている下記の記事のことである。G.C.W.氏等この記事を取り上げてくださった方々に謝意を表したい。すでに毎日新聞のサイトではこの記事は読めなくなっているため、図書館での利用を念頭に書誌事項を記しておく。

 「余録:自殺したくなったら、図書館へ行こう」 
 『毎日新聞』東京朝刊 2005.06.06 1頁 1面

 コラム「余録」は、滋賀県の能登川町立図書館の才津原哲弘館長の次の言葉を引用している。「図書館はよりよく考え、生きるための場です。行き場のない人、ケンカしても隠れる場所がない人たちを孤立させず、自殺させない。それも図書館の役割です」。確かに図書館はただ単に本の貸し出しをするだけでなく、人が幸せな人生を歩んでいくために必要な知識・情報を提供する場だと述べた方もいる。私たちは、図書館と人生とのかかわりについて、これからも真摯に考え続けていく必要があろう。その意味で、多くの方にこのコラムも読んでいただきたいと思う。是非、次に図書館を尋ねるときにでも、毎日新聞のバックナンバーに眼を通してはいかがだろうか。

最近参加したとある研究会で、国立精神・神経センターのウェブサイトに「自殺予防総合対策センター」のページがあることを教えていただきました。「自殺について知るために」「これまでに分かっていること」「国・自治体における連携」「研修」「こころの健康 相談先の情報はこちらへ」「リンク集」という構成になっており、参考になりそうな情報がまとまっています。参考までに以下に記します。

http://www.ncnp.go.jp/ikiru-hp/index.html

この問題に対しても、図書館に関わる者が情報提供を通して様々な方々と協同していくことが重要なのだと再確認しています。

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6月18日(土)、「みかんの木文庫」の仲野さん、「みんなの本箱」の神村さんとともに篠山市立図書館へ講演会を聴きにいってきました。 篠山市立図書館http://www.sasayama-library.org/演題は「暮らしの中の図書館−図書館にできること−」講師は塩見昇氏(大阪教育大学名誉教授) 講師略歴:1937年生まれ。京都大学教育学部卒業後、大阪市立図書館司書。大阪教育大学講師、教授、教養学科長、附属図書館長を経て、2002年より同大学名誉教授。大谷女子大学教授を2005年3月退職。現在、京都... [続きを読む]

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