[資料紹介]『学習権を支える図書館』
図書館が今曲がり角に立たされている。ならば、図書館は今何をしなければならないのか。今回紹介しようとしている種村エイ子著『学習権を支える図書館』は、そのような問いに応える力を読む者に与えてくれると考えたので取り上げた。まず例によって書誌事項から見ていただきたい。
学習権を支える図書館 / 種村エイ子著.
鹿児島 : 南方新社, 2006.3
287p ; 21cm
ISBN: 4861240794
目次:
第一部 学習権と公立図書館(第1章 学習権を保障する公立図書館の役割/第2章 生涯学習・読書運動・図書館/第3章 地域社会における公立図書館/第4章 すべての人の学習権をささえる図書館サービス/第5章 規制緩和と公立図書館)
第二部 児童生徒の学習権を支える学校図書館(第1章 学校図書館法「改正」と鹿児島の学校図書館/第2章 学ぶ喜びを伝える学校図書館/第3章 食農教育と学校図書館/第4章 学校図書館における司書と司書教諭の職務分担/第5章 学校図書館と知的自由)
第三部 学習権を支える図書館員の養成(第1章 学生の授業評価にみる短期大学部の司書教育/第2章 児童生徒の学習権を支える司書教諭の養成)
ご存知の方も多いことと思うが改めて述べると、著者の活動拠点である鹿児島は、かつて作家椋鳩十が鹿児島県立図書館長を務め、創作と並行して読書運動である『母と子の20分間読書』運動を推進したことで知られている。また、著者である種村エイ子さんはかつて『知りたがりやのガン患者』(1996年農山漁村文化協会刊行)を著していらっしゃるが、管理人が思うにご自身がガンになったという経験を通じて情報を得るということの重要性を身をもって味わったということなのだろう。そのことが少し著者の言葉で「はじめに」に書いてある。
そのようなご自身の経験に基づき、本書では、それぞれの住民の暮らしや学習権を支える上で地域の図書館が果たす役割の重要性が論じられており、それは患者や「障害者」などハンディがある人に対しても変わらないのだということが記されている。そのことの延長線上に、現在問題になっている指定管理者制度と公立図書館に関する発言も行われている。
また、子供たちの学びにとって重要となるべき学校図書館についてや、図書館の活動を支えていく司書をどのように養成していくかについても述べられている。
様々な問題を抱えている現在の図書館に関わっていく上で、この本はとても重要な考えを私たちに提示しているのだと管理人は考えている。是非皆さんも一度手にとってご覧いただきたい。

種村先生が、ブログ『いのちの授業日記』で、当ブログを紹介してくださいました。ありがとうございます。
http://inochinotabi.jugem.jp/
投稿 管理人 | 2006.06.04 16:40