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2006.06.24

5万回御礼

 パソコン不調等でしばらく更新していない間に、カウンターが5万回を超えていました。読者の皆様のおかげさまでここまでくることができました。ありがとうございます。

 この間、いろいろなご意見をいただきました。そのことに対しても御礼を申し上げます。本当ならばここで一つ一つにお答えをしていくべきですが、ここのところ雑事に紛れ、しっかりとお返事できるかどうか心配です。いただいたご返事はこれからの活動に活かすようにしていきますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。

2006.06.10

「図書館友の会全国連絡会」、指定管理者制度反対などの要望書を持って、総務省・文部科学省と交渉

池沢昇(東京の図書館をもっとよくする会・事務局)

 「図書館友の会全国連絡会」は、5月25日文部科学大臣、26日総務大臣に宛てた「公立図書館の充実と改善を求める要望書」を持参し、窓口となる両省のそれぞれの担当部署に要請を行いました。併せて、活字文化議員連盟、衆議院文部・科学委員会、参議院文教・科学委員会の200名を超える議員にも、あいさつ文を持って要請を行いました。「要望書」の趣旨は、(1)文字活字文化振興法の条文に基づく施策を実施すること、(2)指定管理者制度を公立図書館に適用しないこと、(3)公立図書館の人的体制と物的条件を整備するために財政措置を早急に実施すること、の3点です。

 「図書館友の会全国連絡会」は、全国各地で図書館に関わる活動を行っている住民運動団体の全国連絡組織として、一昨年に結成されました。「東京の図書館をもっとよくする会」は、創立準備段階から加わっています。今回の要請行動には、公立図書館を崩壊に導く指定管理者制度が全国に広がることを食い止めるために、 積極的にかかわり推進しました。

 総務省・文部科学省の要望書の案文作りや行動計画をネットを通して練り上げていくなかで、「図書館友の会全国連絡会」に未加入の団体からの賛同が増え、「図書館友の会全国連絡会」と賛同26団体の名で要望書を出しました。全国から集まった要請団は文部科学・ 総務両省への要請を行うとともに、手分けして議員要請を行いました。

 今回の要請行動の詳しい内容や評価は「図書館友の会全国連絡会」が作成することになります。とりあえず、この要請行動に参加した池沢が、個人として簡単な報告を行います。

 6月25日、文部科学省への要請は、生涯学習政策局社会教育課図書館振興係長が対応し、1時間半の話し合いの時間を持ちました。各地での指定管理者の導入が住民への十分な説明を抜きに強引に進められていること、国が指定管理者の導入を求めているからと説明していること、などの実状を述べました。また、担当者として、地方行政組織からの一方的な情報だけではなく、地域で起きていることを正確につかむこと、また、各地の図書館に関わる活動を実際に見て回ることを要請しました。

 26日の総務省は、自治行政局行政課行政第三係長が対応し、1時間を超えた話を持ちました。指定管理者制度を所管する部署です。指定管理者制度は公の施設の運営形態の枠を広げたもので、その導入は自治体の判断にゆだねられている、と法の趣旨について説明しました。しかし、要請団は、国の方針だとして住民の声を無視した強行が各地で起きていることをあげ、国としての責任を果たすように要望しました。文部科学省の担当者も同じでしたが、始めて聞く内容と述べました。加えて、総務省に住民運動団体が指定管理者制度の要請に来たことも今までないとのことでした。

 これらの一連の活動を終えての私の評価は以下の通りです。

(1) 総務省、文科省とも大臣に会えず、係長クラスの対応だった。しかし、 それぞれ今回の要望事項にかかわる実務を行うセクションであり、そこに私たちの考えていること、各地で起きていることを伝えたことは大きい。全国で起きていることについて資料を届ける約束をそれぞれにしたので、今後のパイプをつなぐことができた。
(2) 議員要請行動については、ほとんど秘書対応であった。時間もなく十分に説明することも無理だった。しかし、対象とした全議員を回りきり、挨拶をしてきた。このことでどれだけの影響を与えられるのかはわからない。それでも、次回 「前回も図書館のことで要請に伺った団体です」と挨拶できるようにはなったのは確かである。
(3) マスコミについては、マスコミ用の文書を用意し、記者クラブを通じて配布した。毎日新聞5月25日夕刊が取り上げた。今日のマスコミは民営化推進の側に立っている。その中で、かなりのスペースをとって紹介された意義は大きい。
 続けて毎日新聞6月9日は静岡市立図書館への指定管理者導入反対の動きを、指定管理者の図書館の実状も紹介しながら、民営化に疑問を投げかける立場から掲載した。(民営化が進む図書館=賀川智子(静岡支局)◇利用者軽視の公費削減--地域との議論尽くせ
 読売新聞東京多摩版「民間委託23区より少なく 多摩地区の公立図書館」(3/22)でも図書館の委託・民営化について、財政効率と図書館職員の専門性とどちらを優先するのかとの視点で取り上げている。朝日新聞は2月15日の 「私の視点」で入矢玲子氏(中央大学図書館司書)の図書館民営化への批判投稿を掲載した。少しづつではあるが、潮目が変わりつつある。
(4) 全国の図書館にかかわる運動体が共同して国に意見を述べ、改善を要請したことは、「図書館友の会全国連絡会」 に参加する団体にとって、大きな自信になったのではないかと思う。国が「図書館友の会全国連絡会」に会って話を聞き、また、マスコミを通じても「会」の名前が流れた。これらを反映して地域に活動する団体も、地元の自治体との関係で相対的に立場を強めることになる。今後の全国各地での運動にも影響を与えるだろう。このことが何よりも大きい成果だと思う。

掲載資料
「要望書」(pdf112.3K)
「賛同団体一覧」(pdf45.3K)

2006.06.09

[資料紹介]『日経サイエンス』掲載論文「貧しい人はなぜ不健康なのか」

 以前、当ブログで『希望格差社会』 という本を紹介させていただいた。それ以降も格差についてたくさんの本や雑誌論文は次々と発表されている。 この社会がどのような社会になってきているのか、その中で私たち図書館に関わる者が何をしなければならないのか、 しっかりと考えていかなければならなくなってきている。

 今回は、雑誌論文をご紹介したい。"Scientific American"誌の日本版である『日経サイエンス』から、 やはり社会での格差と人間の暮らしにくさについて考えさせられる論考である。

公衆衛生 貧しい人はなぜ不健康なのか / Robert Sapolsky
『日経サイエンス』vol.36、no.3 (通号413) [2006.3] pp.72~80

 この論文では、収入,職業,教育水準,住環境などを加味した「社会経済的地位」を調べてみると, その最も富裕な層から階層が下がっていくにつれ,健康状態も悪化するということがまず第一に据えられている。 そのことにもとづいて社会経済的地位と健康との相関関係の分析が行われている。また、人間の健康は、 「自分は貧しい」 という意識そしてストレスによって損なわれやすいということも指摘されている。そして、 論者は解明や対策の取り組みの重要性をも力説している。ちなみにこの論文の冒頭では冒頭に19世紀のドイツの神経科学者・ 医師のウィルヒョウの、「医師は本来、貧しき者たちの弁護士のようなものだ」という文言が引用されており、 その考えが論調の底辺に流れている。

 さて、このブログでも、昨年元旦の「賢い患者術」 等の記事中で医療等重大な決断が必要な場面での情報の重要性と図書館の有用性に触れてきた。 これからこの社会ではますますそのような場面が増えることであろう。そして、この社会は「格差社会」と言われるようになってきた。 そのような時、私たち図書館に関わる者はこの論考にどのように向き合えるだろうか。皆さんもよろしかったらこの論文を手にとって頂き、 ご一緒にお考えいただければ幸いである。

2006.06.08

[集会案内]「図書館の市場化とこれからの図書館づくり」--再掲--

 「草の根からまちをつくる」 をテーマとして行われる第6回東京自治労連(東京自治体労働組合総連合)自治研集会第1分科会の一環として、 下記のように図書館問題の分散会が行われます。是非ご参加ください。以下に、寄せられた案内を掲載します。

           *************************************************

「図書館の市場化とこれからの図書館づくり」

―全ての仲間・市民と原点にかえって考えようー

 この数年で東京の図書館は今大きく変わってきました。台東・墨田・江東・千代田・文京・板橋・大田・中野・品川・目黒・港・北・ 足立などほとんどの区の図書館窓口はすでに民間業者に委託されています。川崎や多摩地区にも飛び火し、さらには「指定管理者制度」 による丸ごと委託も一部の区では現実化し、図書館の市場化が進行しつつあります。  

 東京自治労連図書館協議会(自治労連の各区市・都立図書館職場分会と非常勤を組織する公務公共一般労組で組織)は、 これまで窓口民間委託反対の闘いを提起してきましたが、東京の過半の図書館が委託されている状況の中で、今後の職員・労働者の役割・ 課題を整理し、職員住民とともによりよい図書館を作り上げる方向を新たに考え合いたいと思います。常勤・非常勤・公務員・民間・ NPOなどの雇用形態を問わず、図書館の発展を願うすべて労働者の皆さん、そして住民の皆さん。奮ってご参加ください。参加費は無料です。

   時 :6月24日(土)13時30分~17時
   場所板橋グリーンホール (旧産文ホール)
       (東武東上線大山駅・都営三田線板橋区役所前 徒歩8分)
   内容
   ○講演 山口源治郎東京学芸大学教授
     「指定管理者制度にむけて職員の役割と住民共闘の道は?」 
   ○情勢報告と提起 東京自治労連図書館協議会
     「東京の図書館はどうなっているか」
   ○各労組・職場からの報告

   当日連絡
       090-3409-7768 橋本 メール sakuya@k4.dion.ne.jp

 

2006.06.04

司書が平和を願うということ(3)…[資料紹介]『バスラの図書館員』

 報道によると、イラクでは自身の政府ができ、一歩ずつ歩みを始めているようではある。しかし宗派間の対立など、まだ完全な平和には程遠いようでもある。今回紹介する絵本は、平和を願いそして図書館の本を救おうと取り組んだイラクの図書館員の物語が元になっているのだという。

バスラの図書館員 イラクで本当にあった話 絵と文/ジャネット・ウィンター 訳/長田弘
東京 晶文社 2006.4
ISBN4-7949-2042-3
原題:The Librarian of Basra: a true story from Iraq

 原著が2005年に出されたこの本は、2003年に実際に起こった事柄…イラク戦争最中に、戦火が迫っていた南イラクの港町バスラにおいて町の人たちと力を合わせて図書館の本の大部分を守った図書館員の話が描かれている。ちなみに、 同書によるとバスラの図書館はその9日後に焼け落ちてしまう。『New York Times』が報じたことが作者ジャネット・ウィンターさんの目にとまり、原作の絵本になったのだと言う。

 「図書館の本には私たちの歴史がつまっている」、この絵本のカバーに書かれていた言葉である。まさにそのとおりである。そして、戦争はその歴史の記録を容赦なく破壊してしまう。この絵本にあるような図書館員がいたということは、私たちの記憶にとどめておくべきであろう。

 帯によると、この絵本の収益の一部はアメリカ図書館協会の基金を通じてバスラ中央図書館の再建を助けるために使われるという。もしよかったら皆さんも一度手にとっていただければ幸いである。

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