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2006.08.27

悲しい物語を繰り返さないために図書館ができること(2) 止むことのない医療過誤に寄せて

 Yahoo!ニュースやGoogle!ニュースをご覧いただくと、あまりにも多くの医療過誤や医療事故が起こっていることが読み取れるであろう。当然これらに載らないものもあるに違いない。医療を受けよりよい人生を歩いていこうとされたはずの方々の身に事故が起こることで、ご本人やゆかりの方それぞれの人生は計り知れないダメージを被ってしまう。もちろん、医療者側も様々な取り組みを続けておられるのだろうが、それでも残念ながら医療過誤は続いている。そして、医療過誤は他人事ではなく、いざというときにはわが身に降りかかってくる。

 このようなことが常々頭の隅にあった管理人だが、今回韓国のソウルで行われた国際図書館連盟(IFLA)第72回大会に参加して様々な発表に接することで大変啓発されて帰ってきた。特に、健康・生物科学分科会で行われた次の発表に出会った管理人は興奮冷めやらぬ状態になっっていた。

Ontology based Adverse Event Reporting System Architecture / Senator Jeong & Hong-Gee Kim.
Presented in Health and Biosciences Libraries, World Library and Information Congress: 72ndIFLA General Conference and Council, 20-24 August 2006, Seoul, Korea

 Senator Jeongさんらはソウル大学の研究者であるが、この発表の内容は、医療活動上絶対に繰り返し起こしてはならない事柄のデータベースを構築しようとしている取り組みについての話である。患者の安全は医療者のみならず一般社会全体での重要な問題であるが、医療事故等の事例の報告システムの必要性が広く指摘されているにもかかわらず広く受け入れられているシステムがないという問題意識。そのような事例のデータベース構築の必要性。このデータベースに必要とされるデータ構造。それらのことが述べられている。

 ここまで読み進められた方の中には「失敗学」という言葉を思い出された方も多いことであろう。このテーマについては工学院大学教授畑村洋太郎さんの『図解雑学失敗学』(ナツメ社,2006)をはじめとしてさまざまな本が出ており、また、日本の独立行政法人科学技術情報機構(JST)では失敗学の考えをベースとした『失敗知識データベース』が構築されている。

 確かに上記Senator Jeongさんらのデータベースはプロトタイプ(試作段階)であり、今後広く議論を積み重ねていく必要があろう。また、研究者・専門図書館・公共図書館それぞれの現場で今後なすべきことは異なっているであろう。

 しかし、生き死にに関わる情報に図書館関係者がどのように関わっていくのかは、どの国でも重要な問題になっていくであろう。もちろん、私たちの国日本でも。そのような今、私たち図書館にかかわる者は、山ほどの課題はあるけれどもしっかりと前進していくことが必要である。 

2006.08.13

悲しい物語を繰り返さないために、図書館ができること

 読者の皆様、残暑お見舞い申し上げます。皆様の中には、休みにはご家族で海や川やプール、などという方もいらっしゃることでしょう。 そういう管理人も水泳が大好きなので、たまにプールで楽しんだりしています。

 でも、お盆が近いせいかもしれませんが、このように書き始めながら大変悲しくなることを思い出しました。埼玉県ふじみ野市で7月31日に起こったプールでの吸い込み事故です。ひとりの少女が10歳にもならずにこの世から去らなければならなかったこの事故のことは、まだ多くの方の記憶に残っていることでしょう。管理人もこの少女に対して冥福を祈りたいと思います。

 このプールの事故については、さまざまな続報があります。管理面も含め問題がいろいろとあったようです。図書館に関わるものとしては、そこからいろいろなことを汲み取らなければならないでしょう。その中で、今回はもっとも図書館に密接なこと、そう、「情報の提供」という切り口から語ってみたいと思います。管理人が新宿・紀伊国屋書店でふと目にしたのが次の本でした。

あぶないプール : 学校プールにご用心! / 有田一彦著. --
東京 : 三一書房, 1997.7
200p ; 18cm. -- (三一新書 ; 1167)
注記: 参考文献: p191-192
ISBN: 4380970116

 この本は、飛び込み事故につながるプールの水深の問題や、今回ような事故につながる排水口の問題、水質の問題など、重大な事故などにつながるプール管理の問題に対して警鐘を鳴らし、子供たちが健やかに泳ぎを楽しめるようににと書かれたものです。また、Webcatを検索してみていただければ、こんな本も見つけられることでしょう。

学校水泳プールのすべて:建設・管理・指導・事故対策/日本体育施設協会
学校水泳プール調査研究委員会編. --
東京:体育施設出版, 1985.5

水泳プールの安全管理マニュアル/水泳プール部会技術委員会編集. --
改訂第三版. --
東京:日本体育施設協会水泳プール部会, 2002.3印刷

 本だけではありません。国立国会図書館NDL-OPACにある『雑誌記事索引』を検索してみていただくと、そこには下記の記事をはじめとして有用な雑誌記事がいくらでも出てくることにお気づきのことと思います。

プールシーズン間近!ソフトとハードのオープン態勢を整えよう 
利用者が安全に楽しめるプール施設を提供するために--
シーズン突入前の点検・改善項目を把握し実行しよう / 池田勝利
月刊体育施設. 35(7) (通号 449) [2006.5]

 ブログ『CNET Japan』に「正常化の偏見」 という記事が載っていました。目の前に危険が迫ってくるまで、あるいは迫っているのに、その危険を認めようとしない人間の一般的な心理傾向を災害心理学では「正常化の偏見」と呼ぶのだそうです。必要なことは、今回のプール事故のみならず、常日頃から当事者の方々や管理者の方々を含め多くの人が安全ということにしっかりと関わっていくことなのだと思います。そのためには安全に関するさまざまな事柄を知る必要があります。そのような情報を知りたいというニーズを持つ人と、必要な情報とを結びつける場面では、図書館、そして司書もしっかりとお役に立てるのだと、管理人は確信しています。

2006.08.05

本を捨てるな!共同保存図書館という可能性

 下記のシンポジウム案内をいただきました。現状では資料の保存、つまり私たちの
記憶・記録をしっかりと残していくための取り組みも求められていますが、今回の下
記の催しはとても興味深いものになると思います。皆さんも是非参加されてはいかが
でしょうか。

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 いま日本の図書館は「保存」という大問題に直面しています。 とりわけ地域の公
共図書館のばあい、図書館予算の大幅な削減によって、あらたな本を収納するにはそ
れと同量の本を廃棄しなければならない、という悲惨な状態をしいられています。こ
うした「玉突き」状況を余儀なくされている点では、大学図書館も特に特権的な場所
にいるわけではありません。
この隘路を突破するにはどうすればいいのか?

 複数の図書館が力をあわせて廃棄本を保存する「共同保存図書館」とか、地域の公
共図書館と大学図書館との相互利用システムの構築とか、さまざまな試みが生まれて
います。その当事者諸氏が一同に会して、図書館にとって「保存」とは何か、という
古い問いに新しいしかたで答えてみよう。それが今回のシンポジウムの目的です。ふ
るってご参加ください。

    日時  2006年9月4日(月) 14時〜17時
    場所  和光大学 J−104教室
            (終了後懇談会を開催 17時15分から18時30分)
    発言   堀 渡    (国分寺市立図書館)
    発言   佐賀原 正江 
            (神奈川県立川崎図書館デポジットライブラリー)
    発言   矢崎 省三  (東京農工大学図書館)
    発言   平山 恵三  (NPO共同保存図書館・多摩)
    司会   津野 海太郎 (和光大学附属梅根記念図書館長)

問い合わせ先
〒195−8585東京都町田市金井町2160
和光大学附属梅根記念図書館  http://www.wako.ac.jp/library/
電話044−989−7494 Eメールlibrary@wako.ac.jp
交通
小田急線<鶴川駅>下車徒歩15分

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