[資料紹介] 山内薫著『本と人をつなぐ図書館員』
ランガナータンの昔から、私たちは「それぞれの人に、その人にとって必要な資料を」と言ってきた。当サイトでもその言葉を拝借している。では、資料や図書館を使いたくても使いづらい人に対して、私たちのすべきことは何であろうか。そのことを真摯な書物でまとめてくださった方がいる。今回はその本のことについて紹介したい。
本と人をつなぐ図書館員: 障害のある人、赤ちゃんから高齢者まで
山内 薫・著
東京 読書工房 2008.1
ISBN978-4-902666-15-1
この読書工房という出版社は、本を「誰でも」楽しめたり、利用したりできるメディアに進化させるため、書籍のユニバーサルデザインを研究し、実践しているとのことである。著者である山内薫さんは東京都墨田区立図書館で長年にわたり「図書館利用に障害のある人へのサービス」を手がけてこられた方であり、日本図書館協会の障害者サービス委員もなさっている。
本書には、著者である山内さんと障害のある方々や認知症の方々、赤ちゃんや親御さん方との関わり、刑務所図書館のこと、心身障害学級のこと、障害のある方々にとって読むとは、書くとは、情報とは何なのか等が9つの章立てにまとまっていている。それらのことはどれも山内さんが実際にそのような「読みたくても読みづらい人々」や「他の領域のプロフェッショナル」たちと関わりながら経験してこられたことである。きっと、読む人はそれらの生の中から、読書というものの大切さ、「それぞれの人自身の読みたい本に出会うこと」の大切さ、そして図書館(司書)の果たす役割の大きさに気づかされることであろう。
ぜひ、多くの図書館関係者の方がこの本を手に取っていただければ、と念じている。

コメント