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2008.05.04

司書が平和を願うということ(4) 甦った「平和百人一首」のこと

 昨日5月3日は憲法記念日でした。昭和22年の5月3日に施行されて以来60年の歳月を経て、昨日も多くの憲法にかかわる催しが行われました。管理人も、「稲田善樹原画展百のうた千の想い:甦る平和百人一首」にお誘いをいただいたので、新宿の紀伊国屋書店まで足を運んでみました。出版されたばかりの下記の本の原画展ということで、今日はそのことについてお話ししてみたいと思います。

   百のうた千の想い:甦る平和百人一首英訳付
   大竹桂子編・稲田善樹絵
   川崎 てらいんく 2008/05
   ISBN:9784862610256

  平和百人一首、皆さんはご存じでしたでしょうか。昭和23年に新憲法制定事業として平和の鐘楼建立会が募集したもので、入賞者には一首200円が出されたとのことです。その中にはたとえば次のような歌もあります。戦争に負け、新しい憲法ができた当時の人々の新しい国や憲法への思いが痛いほど感じ取れると思います。また、あちこちで紛争やテロが絶えない現在の状況の中でこれらの歌を読むことにより、平和への思いを新たにすることができると思います。

    われら選ぶ人のをさむる新しき
      国輝けと一票を投ず
    ひむがしに美し国あり矛はすて
      海に漁(すなど)り土にいそしむ
    天地(あめつち)のはてまでひびけ日の本(ひのもと)の
      平和の鐘は今鳴り渡る

  これらの平和百人一首のうたのそれぞれをカルタに仕立てた方がいらっしゃいました。星野せいさんとおっしゃり、この百人一首の入選者のお一人でした。星野さんは自らの子供たち5人のためにこの平和百人一首を読み札・取り札のセット(1セット200枚!)として筆に認め、残したのだそうです。そのカルタに親しんだ家族の一人が上掲書の編者大竹桂子さんです。大竹さんは国立国会図書館や東洋大学図書館や国際日本文化研究センター図書館などの資料を紐解きながら、ひとつづつ当時の平和百人一首の形をよみがえらせていたのだそうです。大竹さんが当られた資料には、読売新聞に載っていた平和百人一首の募集広告や、マイクロフィッシュ化されたプランゲ文庫の資料--戦後すぐの出版物はGHQの検閲の対象になってましたが、プランゲ文庫はその時の出版物の状態を垣間見ることのできる貴重な資料です--もありました。そのような取り組みでよみがえらせていった平和百人一首のそれぞれに、稲田さんが絵を書き添えたのが今回出版された上掲書です。

 人々が生きた社会での熱い思いが記された資料が、図書館という場所で記録されることにより、次の世代に受け継がれ、人々の生きる原動力になっていきます。憲法が施行されて60年たち、世の中の動きが激しくなっている今、皆さんもこの本を手に取りながらそのことに思いをはせて見られてはいかがでしょうか。また、展覧会は5月6日まで行われているとのことですので、ぜひ多くの方が足をお運びになるとよいと思います。

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