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2008.05.04

図書館は情報の町医者--静岡市立御幸町図書館に関する資料の紹介など

 私がよく視聴するテレビ番組のひとつに、NHKの『プロフェッショナル仕事の流儀』がある。他の畑の仕事をする人の姿を目にすることが自分の栄養にもなるからである。最近のプログラムの中で印象に残ったのは、2008年4月1日放送のウェブデザイナーの中村勇吾さんの回であった。印象に残ったのは何なのかというと、ウェブデザイナーとしての仕事内容、ということよりも、中村さんが独学で始めたウェブデザインがプロの領域に到達しているということである。

 よく、私たちは「学び」を重要視するが、この『プロフェッショナル』というプログラムに出てくる人々の印象に残る姿は、やはり「学び」であり、現実との真摯なかかわりである。中村さんの例のほかにも、農薬に頼らずにリンゴ作りを進めている農家木村秋則さんが、リンゴに害を及ぼす害虫を写真に撮って図書館でその生態を研究してこられたということがこの番組の別の回で紹介されていた。

 この社会で暮らし、生き抜いていく。そのためには私たちにも「学ぶ」ということが必要になってくる。「生涯学習」が重要視されている所以である。当サイトでも今までに生涯学習にかかわる話題を何回も取り上げてきているが、生涯学習を支える組織の一つである図書館に関わる者として、私たちは生涯学習の重要性を改めて肝に銘じるべきであろう。

 生涯学習の視点から図書館を考えようとするときに、私が興味深くとらえている図書館の一つに静岡市立御幸町図書館がある。今回はこの静岡市立御幸町図書館に関する雑誌記事を紹介したい。

 「無料貸本屋」から「情報の町医者」へ 豊田高広
 『人文会ニュース』102号(2007年12月) pp.17~21

 豊田さんは静岡市立御幸町図書館の館長であり、2007年3月に勁草書房から出版された『図書館はまちの真ん中―静岡市立御幸町図書館の挑戦』の著者のお一人である。ビジネス支援サービスと外国人住民への多言語サービスを柱として活動する同図書館にかかわる上で豊田さんが重要視していることは、図書館は情報の町医者なのだということである。すなわち、仕事や社会生活の中で情報ニーズが出てきたとき、図書館がしっかりとかかわっていけることが重要なのだということである。豊田さんが図書館を町医者に例えているくだりは大変興味深いので、恐縮であるが少し引用させていただきたい。

信頼のおける町医者(公共図書館)とは、その町の人々にとって、どんな病気(課題)、にかかったとしても、最初に受診してみようと思える存在である。とりあえずの処方箋(資料、情報)を提供してもらうと同時に、必要に応じて、より専門的な病院(都都道府県立図書館、国立国会図書館、大学図書館、専門情報機関、公的機関の相談窓口、社会教育講座等)や薬局(書店)を紹介してもらう。大病にかからないための健康法(メディア・リテラシー)のアドバイスもしてもらえる。往診(移動図書館などのアウトリーチ・サービス)も町医者独自の機能だろう。保健所(行政各部局)と協カして、寝たきりをなくす(情報による自立支援)まちづくりへの取組も考えられよう。

  そして情報の町医者としての図書館に必要とされるものとして豊田さんは筆者は「『地域の記憶』ともいうべき、設置自治体とその周辺の地域資料の集積」と「さまざまな専門の入門となり得るような『広く浅い』蔵書構成」の2つを挙げる。

  人々がこの社会で生き抜くために、資料や情報を扱う機関である図書館は何をしなければならないか。豊田さんのこの論考にはその答えの一端が書かれているのだと理解している。多くの方が手に取っていただければ幸いである。

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